出張の帰りに鹿児島によった。空いた時間に母とランチをした。
低い雲が雨の季節の始まりを教えた。
ぱらぱらと雨が降り出し、アーケードまで早足で歩いた。
鹿児島の老舗百貨店の近くにあった小さな喫茶店でランチをした。
母は以前弟とこの店に来たそうだ。
小さな小さな喫茶店。入り口がカランカランと鳴り、コーヒー豆の挽きたての香りがリラックスさせる。
「こないだの母の日何かもらった?」
「花をもらったわよ。」
「誕生日でしょ来月。もういくつだっけ?」
「54よ。」
「何か欲しい?」
「何か買ってくれるのね?」
「母の日と、誕生日の何か買おうか?」
「ホントね?」
小さな喫茶店で少し小さく見えた母が笑った。
近くの店で、指輪をみた。
「おねぇちゃんの結婚式につけたいって思うんだけど。」
「時計がいいかしら?指輪がいいかしら?」
「どっちでもいいよ。」
そういったアクセサリーを身に着けることがなかった母。
身に着けていたかも思い出せない。
店員さんにいろいろ見せてもらい、母はこっちもいい、あっちもいいと目を輝かせていた。
そしてひとつ母が選んだ。
「これでいい?」
「あぁ、いいよ。これお願いします。」
母はその場で指輪を付けて帰るといった。
「気に入ったの?」
「うん、これ、お父さんが買ってくれた指輪と同じ石なのよ。」
そういって母は何度も指輪を見ながら歩いた。
「じゃあ、またね。姉ちゃんの結婚式で。」
「頑張って。ありがとうね指輪。」
空港行きのバス停は人が少なかった。空はまだどんより低く、天文館の賑わいも平日の雰囲気だ。
素敵なおばあちゃんとおじいちゃんが優しい笑顔で目の前を通り過ぎる。
ふと、おばあちゃんの指をみる。
素敵な笑顔をしたおばあちゃんはやっぱり綺麗に輝く石をつけた指輪をつけている。
笑顔のおばあちゃんの指輪にはどんな思い出があるのだろう。
その石がなんだかわからないが、梅雨のどんよりした天気でも、綺麗に輝いている。
2008/04/24
ウミガメ
この間の日曜から沖縄から先輩が来て、ウミガメの水中撮影。
貴重な映像が撮れた。
鹿児島でバイトしてる頃の先輩。
フリーに転身し、水中の撮影がしたくて会社を辞め独立。
スケジュール帳が埋まるのがフリーの醍醐味だそうで。
映像の仕事をこよなく愛すかっこいい30ウン才。
先輩のブログをみると以前と比べちょっと痩せていたので、きっとフリーになって失敗したんだ・・・。
と思い、「そっちにいくから。」と電話あったときは、鹿児島に帰るから金が必要なんだと思った。
会うと、何が何が、バリバリ稼いでいるではありませんか。。。
無駄に心配したと話すと、お前には一生世話になんかなるかwと。。。
元気そうだった先輩。
しかしどこか暗い影。。。
彼女さんが一緒に来ており、話をすると。
先輩の弟さんが事故で亡くなったとのこと。
だからか。。。
そんなこと一言も言わなかった先輩。
仕事にただ打ち込み、自分の大好きな仕事ができることを何度も何度も嬉しそうに、奄美以南にすむとあまり飲まなくなった芋焼酎を頼み、飲んだ。
黒伊佐錦の強い香りが喉をゆっくりと滑り落ちると同時に、グラスの水滴が落ちゆっくりとテーブルの上を流れる。
きっと今日のあのアオウミガメは今頃、珊瑚の上で寝ているのだと思い、グラスの氷を揺らした。
Jazztronik - Aoi Asagao
貴重な映像が撮れた。
鹿児島でバイトしてる頃の先輩。
フリーに転身し、水中の撮影がしたくて会社を辞め独立。
スケジュール帳が埋まるのがフリーの醍醐味だそうで。
映像の仕事をこよなく愛すかっこいい30ウン才。
先輩のブログをみると以前と比べちょっと痩せていたので、きっとフリーになって失敗したんだ・・・。
と思い、「そっちにいくから。」と電話あったときは、鹿児島に帰るから金が必要なんだと思った。
会うと、何が何が、バリバリ稼いでいるではありませんか。。。
無駄に心配したと話すと、お前には一生世話になんかなるかwと。。。
元気そうだった先輩。
しかしどこか暗い影。。。
彼女さんが一緒に来ており、話をすると。
先輩の弟さんが事故で亡くなったとのこと。
だからか。。。
そんなこと一言も言わなかった先輩。
仕事にただ打ち込み、自分の大好きな仕事ができることを何度も何度も嬉しそうに、奄美以南にすむとあまり飲まなくなった芋焼酎を頼み、飲んだ。
黒伊佐錦の強い香りが喉をゆっくりと滑り落ちると同時に、グラスの水滴が落ちゆっくりとテーブルの上を流れる。
きっと今日のあのアオウミガメは今頃、珊瑚の上で寝ているのだと思い、グラスの氷を揺らした。
Jazztronik - Aoi Asagao
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