さよならゆうき
いつも、僕らを笑わせてくれるゆうきが島を出て、地元岡山に帰る。
夜10時の船に乗って、明後日神戸に着く。
FreeTrunkに集まった仲間たち。
いつもと同じ風景で、食べ、飲み、語り、ダーツをして、おちゃらける。
でも、やっぱりどこか寂しく、少し肌寒くなった外気が室内にも伝わるようだ。
港に着くと、意外にも船の接岸のスピードは速く、港の海風は遠くにみえる風車を勢いよく回す。
あっという間。
あっという間の楽しい時間。
そこにあるべき存在。活気。宴。酒。COOL。馬鹿笑い。ものまね。巨乳。123。フットサル。
そこにあるべき存在は、夢を持って旅立つべき存在であっただけ。
だけど、何か体の一部をもぎ取られ、抵抗できないまま、突っ立てる棒切れみたいに感じる。
必然っちゃあ、必然。自分ではコントロール不可能な喜ぶべき事の一つ。
頑張れ。そしてありがとう。
たった数分の接岸で船はまた真っ暗な夜に吸い込まれていく。
最後までおちゃらけるゆうき。
やっぱり泣かなかったゆうき。
頑張れゆうき。
ありがとうゆうき。
また、ふらっと夜のFreeTrunkに帰ってきて、お疲れという。
また、バイクの音がして、長い髪を風になびかせ、Coolを吸うゆうきが、満面の笑顔で現れる。
また、FreeTrunkの長い夜は、ダーツとビリヤード、仲間の楽しそうな声で更けてゆく。
Small Circle of Friends - Boy's Wonder