2008/11/15

自由の箱

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角にこの世は住みにくい」

夏目漱石~草枕~より

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知恵を利かして行動をすれば情が無いと言われ、
遠慮をしたり心配をしたり相手の事を思うとどっちつかず。
遠慮せず、感情の赴くままに言葉に出しても理解してもらえない。
とにかくこの人の世は住みづらい・・・。
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人生を達観しているという奢りはないが

この島に住むということは、都会で生きるよりも一期一会と呼べるような出会いが多い。


多くの人が来て、多くの人が出て行く。




けれど、短い期間だから、そういう年齢だからという理由で、そういう出会いを特別視しているというわけではない。


角が立つことをしないわけではない。
情に棹さすことをしないわけではない。
意地を通さないわけではない。



それぞれの生活に
それぞれの性格に
それぞれの想い


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住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。
どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。

越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容て、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。
ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。
あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。
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文面どおり詩、画、芸術が必要だと言いたいわけではない。

詩、画、芸術のように、くつろぎや、束の間の命を束の間でも、住みにくいところを住みよく変える事が必要だ。




一期一会のこの島で生きる術。



自分はそれにちょっと気づいている。



というか、今の自分にとって、窮屈なこの島の生活の唯一のエッセンス。

自由の箱に飛込んだ馬、サル、キジ、カピバラ、ウーパールーパーetc

しかしこのエッセンスは永遠ではない。

でも、本当に一瞬かというとそうでもない。



その時々の感傷に浸り込む程若くも、情が深くもないが、
やはり頭の中には“一期一会”の確立が高いことを無意識に意識する。



今の自分は、そんな日々にただ身を委ねるだけでいいと思っている。




「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角にこの世は住みにくい」





そんな偶然だらけのしょ~うもない楽しい世界に、また一人新しい仲間が、母のお腹の中で笑うことに飽き、俺も仲間に入れろと、大きな存在感を持って参加しようとしている11月15日。





大きな鼻で、大声で泣きながら、皆に愛されて元気に生まれて来い。


そしてこのしょ~もないおっちゃん、おばちゃん達に、新しいエッセンスを一滴下さいませ。

Coldplay -- Viva la Vida